2016/07/21

「メルちゃん」とフリクションの意外な関係とは…?

小さい頃、ミルクをあげたり、抱っこをしたりと人形でおままごとをしていた方も多いのではないでしょうか。かく言う私もその一人です。

小さい子が遊ぶ人形は数多くありますが、その中でも「メルちゃん」をご存知でしょうか?

今回は愛育ドール「メルちゃん」についてのお話です。

 

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「お世話をすることを通して自然に優しい心を育てる。」

メルちゃんは1992年にパイロット社から発売されました。少女漫画のような愛らしい顔や、おしゃれな小物で今でも多くの子どもたちに愛されています。

文具メーカーであるパイロット社がどうして人形を…?と不思議に思うかもしれません。しかし、パイロット社は文具以外も製造しており、幼児向け玩具も多く製造しているのです。その代表的な商品であるメルちゃんには、パイロット社ならではのヒミツがありました。

 

おふろ

 

 

メルちゃんのヒミツ、それは

お風呂に入れると、髪の毛の色がピンクに変わること!

 

これがどうしてパイロット社ならではなのかというと、メルちゃんの髪の毛の色が変わる仕組みは、フリクションのインキの開発のヒントとなった「メタモカラー」が関係しているからです。

 

メルちゃんの髪の毛は濡れると色が変化すると思われがちですが、フリクションと同様に温度で変化します。お風呂のお湯でピンクに変わったメルちゃんの髪の毛は、冷たい水をかけてあげると元に戻ります。

 

メタモカラーはパイロット社が1975年に開発し、特許を取得した「温度によって色が変化するインキ」です。フリクションインキの前身ですね。このメタモインキで筆記具を開発するよりも先に、インキを使った小物や玩具が製品化されるようになりました。

 

そこから研究を重ね、何度もトライアンドエラーを繰り返し、温度でインキが無色化するフリクションインキが誕生したのです。
 
 
ふりくしょ

 

 

フリクションとメルちゃんにこんな関係があったなんて驚きですよね。

メルちゃんシリーズは今も大人気で、他にもメタモインキを使った商品がたくさん展開されています。パイロット社の技術は文具のみならず、幅広く応用されていたのですね。

 

おままごとを通して、優しい心を育むメルちゃん。

小さいお子さんがいる方はぜひ、この機会にメルちゃんをプレゼントしてみてはいかがでしょうか?

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